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政務官を退任して(その2)
昨年、私が内閣府大臣政務官への就任を希望したのは、ライフワークである北方領土返還運動に内閣の一員として取り組んでみたいと考えたからです。
それは、(1)沖縄も北方領土も、どちらも国家の基本的な問題であるにもかかわらず、政府における北方領土問題の位置づけが必ずしも高くないこと、(2)7700万人を超える返還要求署名がなされている一方で、北方領土問題に関する国民的な認識がなかなか広まらないこと、(3)元島民や返還運動関係者と政府との信頼関係が十分ではないことなど、いくつかの理由によるものです。
私自身は昭和52年秋、根室市の納沙布岬に初めて立ち、それ以来27年間、返還運動に地道に取り組んでまいりました。私の住む黒部市は根室市と姉妹都市でもあります。
昨年3月に、自民党から共産党までの超党派で「北方領土返還・四島交流促進議員連盟」を立ち上げ、小里貞利会長の下で私が事務局長を務めております。
戦後初めて「北方領土返還」という六文字がついた議員連盟を誕生させたのですが、この議連の最大の目的は、「四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結し、日露間に真の友好関係を構築する」ことです。そのために、日本政府の対ロシア外交交渉を強力にバックアップしていくこととしており、この議連と内閣府に設置されている北方対策本部との緊密な連係を図るため、事務局長と政務官の二足のわらじで努力してきました。
政務官在任中の九月二日、小泉総理が現職総理としては三人目の現地視察を実施されたことは高く評価できると思います。私は、総理が北方領土問題に関してご挨拶されるのを、総理就任以来、直接何度もお聞きしましたが、総理の領土問題解決にかける真剣な熱意をそのつど感じました。マスコミが言うように、日朝関係の進展がなかなかむずかしいので、政権浮揚のために北方領土問題に取り組んでいるなどということは決してありません。
内閣府における北方関係予算はわずか10億円余、沖縄関係予算は3000億円と相当の開きがありますが、役所における予算上の位置づけとしては、国家の基本的な問題として沖縄も北方も同レベルと致しました。
さらに、議連の協力を得て、北方四島交流のための専用船の建造等についても来年度予算の概算要求に盛り込み、長年にわたり返還運動の先頭に立っていただいている元島民の後継者(二世、三世)の育成にも意を用いてきました。それらのことを通じて、返還運動関係者と政府との信頼関係の構築に、多少なりともお役に立てたのではないかと思っています。
また、四島への人道支援のうち、日本への患者受け入れ枠の拡大(昨年4名、今年6名)により、国後島の16歳の女の子が足を切断することなく日本で治療を受けていることなどは、四島のロシア人住民からたいへんな感謝の念を表明されております。来年は外務省の予算で10名を受け入れることになっています。
そのほか、解体が予定されている択捉島の紗那に残る2つの日本時代の木造建築物(旧択捉島水産会事務所、紗那郵便局)を保存するため、北方議連と返還運動団体が協力して保存委員会を立ち上げ、そのための募金運動を進めることにしております。2つの建物は、まさに四島が日本の領土である証しであり、保存により、四島のロシア人住民との友好の証しとしていきたいと考えております。
来年は平和的な話し合いの中で日露間の国境を画定した日魯通好条約締結150周年、ソ連(当時)の不法占拠が開始されてから60年という節目の年に当たります。さらに、来年春には、ロシアのプーチン大統領が初めて日本を公式訪問することが予定されており、領土交渉は大きなヤマ場にさしかかります。
交渉で大きな前進をみるためには、政府の交渉を強力に支えていく政・官・民一体となった国内体制の強化が必要です。
そのために、私もまだまだ微力ですが、しっかりと汗をかいていく決意です。
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