□ 年金制度について
信頼のおける年金に(はじめに)
年金については、世代間の不公平が拡大し、年金制度に対する国民の信頼が損なわ
れつつある。加えて、長期停滞する日本経済の再浮上活力を削ぎ、現役世代の負担は
既に限界に近づきつつある。このままでは年金制度の存続自体が危ぶまれる。
このような状況において、今回の年金制度改革が目指すべき最終的な目標は、経済
社会の「活力を維持」して、高齢社会の下でも「持続可能な制度」を構築することに
より、国民の不信感・不安感を払拭し、年金制度に対する「信頼性」を回復していく
ことにある。
年金制度の課題と解決の方向を示し、これらを一体的に改革する必要性と、平成16
年の年金制度改革において、実現すべき主な事項を取り上げました。
年金制度改革の基本的な視点
1.年金改革の実現
現在の年金制度が抱える大きな問題は、@現役世代の負担の増大、A世代間の不公
平の拡大、B国民年金の空洞化(世代内の負担の不公平)である。これらの問題を解
決するためには、既存制度の枠組みを超えた抜本的な制度変更が必要である。
私たちが目指すべき年金制度改革の方向は、公的年金において、@保険料率の増加
抑制、A既裁定者も含めた給付の抑制、B基礎年金の財源確保等により、将来にわた
って老後の生活を支える機能を果たすことができ、安定したわかりやすい制度とする
ことが必要です。
また、一体で老後の生活を支えるため、私的年金においては、自助努力の支援拡充
といった手立てが必要です。
2.現役世代の負担の抑制
今後の高齢化社会の進行を考えると、将来にわたり健康保険料、介護保険料等も含
めた社会保障全体にかかる現役世代の負担は増大せざるを得ない状況にある。負担に
ついては、将来的にも現役世代の活力を損なうことのないような水準とするべきであ
り、負担を引き上げて制度を維持するという安易な選択は絶対に避けなければならな
い。
また、現役世代に比し増加していく高齢者の多くが、経済的に比較的余裕を持って
生活している今日の実態を考慮すれば、こうした負担は高齢者を含む国民全体で支え
合うことにより、現役世代の負担増化の抑制を図っていくべきです。
3.世代間不公平の是正
新しく行われた厚生労働省の試算では、世代間の不公平は解消されておらず、1935
年生まれと1995年生まれの負担給付比率の格差は約4倍であることが示された。
現役世代の納得・理解が得られるよう、こうした格差の解消に向けて、抜本的な制
度改革を行うことが必要です。
4.国民年金空洞化(世代内負担の不公平)の解消
国民年金制度では保険料の完納者が5割以下で、一部納付者・未納者・末加入者が
第1号被保険者全体の3分の1に達し、国の基軸である「国民皆年金」体制でありな
がら、事実上、任意加入の制度となっている。このような実態は世代内の不公平を増
幅させ、国民の年金制度への不信感を助長している大きな要因の一つである。
したがって、年金制度の改革にあたっては、国民年金の空洞化問題を解消して、不
信感を払拭することが緊急の課題であり、国民年金保険料の徴収を強化するとともに、
「国民皆年金」体制が維持できるよう、基礎年金を平成16年までに安定した財源を確
保し、国庫負担を現在の1/3から1/2へ引き上げることを目指し、これによって現役世
代を中心とする年金の不安感解消に努めます。
財源については、年金制度を維持する立場から、消費税の役割を高める必要性があり
ます。
□ 医療保険制度について
1.医療制度の改革
我が国の医療制度は世界高水準の平均寿命と高い保健医療水準を実現し、国際的に
も高い評価を受けています。少子高齢化社会においても世界の冠たる「国民皆保健」
制度を維持し、国民誰もが「安心」して良質な医療を受けることができるよう医療制
度の改革を引き続き進めます。
また、高齢者医療制度のあり方、医療提供体制の改革、診療報酬体系等についての
改革を早急に進め、医療の質の向上と効率化、国民医療に対する「安心と信頼」を確
保するため、自民党医療基本問題調査会の下に5つのワーキンググループ(党所属国
会議員誰でも参加可能)を設置し取り組んでいます。
〔参考〕
○ 医療基本問題調査会医療制度改革推進ワーキンググループ
・ 政管保健のあり方を含めた保険者統合、再編ワーキンググループ
・ 新しい高齢者医療制度の創設等制度体系見直しワーキンググループ
・ 診療報酬体系見直しワーキンググループ
・ 医療提供体制の改革ワーキンググループ
・ 社会保険庁等の改革ワーキンググループ
2.給付と負担
将来にわたり持続可能な医療保険制度にしていくために、給付と負担について、公
平が図られ、国民の納得が得られるよう努めます。また、患者の選択のための「情報
提供の推進」等開かれた医療を求めていきます。
□ 介護保険制度について
1.質の向上と拡充
介護保険施行後3年が経過し、サービスの利用者が増加する中で、介護保険制度を
着実に実施し、ニーズに対応したより良い制度としていくため、在宅介護サービスの
充実、介護支援専門員(ケアマネージャー)等の質の向上、プライバシーを守るため
の個室化(ユニットケア)の普及等、質の向上、拡充に努めます。
2.予防介護の推進
要介護状態とならないようにする予防的リハビリテーションや介護が必要になって
もできるだけ重度にならないようなリハビリテーションのあり方を確立するとともに、
痴呆性高齢者について、一人一人の個性を尊重し、それまでの生活との連続性を保障
できるような安心できるケアのあり方を確立します。また、持続可能な制度への改革
に努めます。
□ 次世代育成支援について
少子化対策の推進
急速な少子化の進行等を踏まえ、次世代の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ、
育まれる社会の環境の整備を図る「次世代育成支援」に積極的に取り組みます。
少子化の流れを変えるため、子どもを「持つこと」・「育てる喜び」・「大きな価
値」を感じることができる社会の実現を目指します。
このため、多様な「保育サービス」の推進、子育てに配慮した「働き方」の改革、
母子家庭「支援」等の少子化対策の推進に努めます。